子供の起立性調節障害(OD)の治療に効果的とされる漢方薬と効能

「非薬物療法には漢方薬がいい」って聞いたことあるけど、ホントに効果あるの?

起立性調節障害は思春期の子供に多い病気で、朝起きられない・めまい・頭痛・腹痛・吐き気などの症状があります。

午前中は具合が悪いことが多いので本人が一番苦しいと思いますが、それを見ていることしかできない親の方も辛いものですよね。

そこで今回は、子供が起立性調節障害で治療に漢方薬を使ってみようかと考えている方に

  1. 漢方の効果
  2. 漢方薬の種類と効能
  3. 漢方薬を購入できる場所

の3点ついて詳しく解説します。

漢方薬を使っていた方の体験談もありますのでぜひ参考にしてくださいね。

 

漢方薬の効果は本当にあるの?

漢方薬ってどんな効果があるの?

どういう症状の人が飲めばいいの?

漢方薬って本当に効果があるのかどうか、実際に飲んでみたことがなければよく分かりませんよね。

まずは漢方と漢方薬について、漢方薬の効果や起立性調節障害との関係についてお話しします。

漢方とは?

中国から伝わってきた医学が日本の気候や風土、日本人の体質に合わせて発展してきたものが漢方です。

分かりやすく言うと、自然の恵みを利用して出来ている薬で、生薬(きぐすり、しょうやく)とも言われています。

西洋医学は体の一部分にポイントを当てて治療しますが、漢方は病気の原因や症状、体質などを全体的・総合的に診て判断します。

 

漢方薬の材料、副作用について

植物の葉・花・根・茎や貝殻などの鉱物を加工して生薬を作り、それらを2種類以上配合したものが漢方薬です。

効能は生薬の組み合わせによって違い、最新技術を用いて飲みやすく保存しやすいように作られています。

自然界の植物や鉱物が原料なので、副作用の心配もほとんどありません

 

漢方薬の起立性調節障害への効果

漢方薬の効果については、日本東洋心身医学研究会EBM作業チームが「起立性調節障害に対する漢方薬の有用性」というテーマで調査し、次のような結果を発表しています。

漢方薬の投与で起立性調節障害の症状が改善・軽減した比率

漢方薬g数投与期間有効率
補中益気湯(ホチュウエッキユ)5,0g8週間69,7%
柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)4,0~6,0g8週間73,6%
半夏白朮天麻(ハンゲビャクジュツテンマトウ)5,0g8週間78,9%
小建中湯(ショウケンチュウトウ)1週間~4カ月71,4%

参考:漢方治療のエビデンス

今まで起立性調節障害の子供に対して漢方薬の効果は証明されていなかったのですが、この研究により約70%以上子供に効果が認められました

症状と漢方薬
  • 頭痛・腹痛の症状・・・柴胡桂枝湯
  • めまい・脳貧血・動悸の症状・・・半夏白朮天麻
  • 食欲不振・腹痛の症状・・・小建中湯

 

漢方薬と起立性調節障害との関係

漢方では起立性調節障害が起こる原因は次の2つにあるといわれています。

起立性調節障害が起こる原因

気虚(ききょ)

気(き)が不足している状態

気が不足すると起こる症状:疲労感・めまい・立ちくらみなど

 

血虚(けっきょ)

血(けつ)が不足している状態

血が不足すると起こる症状:動悸・息切れ・不安・不眠など

起立性調節障害には漢方薬での治療が効果的だといわれているのは、不足している「気」と「血」を漢方薬で補うことで症状の改善をはかることができるからです。

 

起立性調節障害に効果があるとされる漢方薬の種類と効能

漢方では体の中で「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つの要素がバランス良く保たれていると健康が維持でき、この3つのバランスがくずれると体の具合が悪くなると考えられています。

漢方の3つの要素

気(き)

エネルギー・気力・体力(人間の原動力になるもの)

 

血(けつ)

栄養・血液の流れ(全身の器官や組織に与えるもの)

 

水(すい)

血液以外の水分・体液(体をうるおすもの)

漢方薬は「気」「血」「水」の中で不足したものを補い、余っているものは取り除きます。

漢方薬には様々な種類がありますが、今回は起立性調節障害に効果があるといわれる漢方薬について紹介します。

半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)

効能

めまい・胃腸が弱い・冷え性・頭痛・低血圧・乗り物酔い

配合生薬

半夏(ハンゲ)、白朮(ビャクジュツ)、陳皮(チンピ)、茯苓(ブクリョウ)、麦芽(バクガ)、天麻(テンマ)、生姜(ショウキョウ)、黄耆(オウギ)、人参(ニンジン)、沢瀉(タクシャ)、黄柏(オウバク)、乾姜(カンキョウ)

金額の目安

2000円~

詳細

漢方では体の中で水の流れが滞ったり水分がたまったりすることを「水毒」といい、めまいが起こる原因のひとつとして考えられています。

半夏白朮天麻湯は水毒が原因で起こるめまいを改善する効果があります。

 

苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)

効能

ふらつき・立ちくらみ・動悸や頭痛を伴うめまい

配合生薬

茯苓(ぶくりょう) 、桂皮(けいひ)、 白朮(びゃくじゅつ)、 甘草(かんぞう)

金額の目安

1000円~

詳細

苓桂朮甘湯は水毒が原因で起こるふらつきや立ちくらみの治療に用いられます。

 

五苓散(ゴレイサン)

効能

頭痛・めまい・吐き気・嘔吐・むくみ・下痢・二日酔い

配合生薬

沢瀉(タクシャ)、猪苓(チョレイ)、蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、桂皮(ケイヒ)

金額の目安

2000円~

詳細

効能を見ても分かるように、五苓散は様々な症状に効果があり適応が広いといわれている漢方薬です。

 

真武湯(シンブトウ)

効能

体力低下・冷え性・動悸・めまい・下痢

配合生薬

茯苓(ブクリョウ)、 薬(シャクヤク)、 蒼朮(ソウジュツ)、生姜(ショウキョウ)、 附子末(ブシマツ)

金額の目安

2000円~

詳細

真武湯には体の機能を活性化させる附子(ブシ)という生薬が加えられており、虚弱体質の体質改善にも効果があります。

 

補中益気湯( ホチュウエッキトウ)

効能

疲れやすい・気力や体力の低下・胃腸機能低下・めまい

配合生薬

人参(ニンジン)、蒼朮(ソウジュツ)、黄耆(オウギ)、当帰(トウキ)、陳皮(チンピ)、大棗(タイソウ)、柴胡(サイコ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、升麻(ショウマ)

金額の目安

2000円~

詳細

補中益気湯は胃腸の働きを高めて「気」を補う漢方薬です。

 

十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)

効能

貧血・倦怠感・食欲不振・冷え性・疲労

配合生薬

黄耆(オウギ)、桂皮(ケイヒ)、 地黄(ジオウ)、 薬(シャクヤク)、蒼朮(ソウジュツ)川芎(センキュウ)、当帰(トウキ)、人参(ニンジン)、茯苓(ブクリョウ)、 甘草(カンゾウ)

金額の目安

2000円~

詳細

十全大補湯は体が疲れている人や弱っている人の「気」「血」を補い、体に活力を与える効果があります。

 

加味帰脾湯(カミキヒトウ)

効能

不眠・血色不良・寝汗・微熱・疲れがとれない

配合生薬

黄耆(オウギ)、柴胡(サイコ)、酸棗仁(サンソウニン)、蒼朮(ソウジュツ)、人参(ニンジン)、茯苓(ブクリョウ)、遠志(オンジ)、山梔子(サンシシ)、大棗(タイソウ)、当帰(トウキ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、木香(モッコウ)、竜眼肉(リュウガンニク)

金額の目安

1000円~

詳細

加味帰脾湯は消化器の働きを助け、不足している「血」を補います。

気持ちを落ち着ける効果もあるので精神的に不安定な人にもおすすめです。

 

婦宝当帰膠(フホウトウキコウ)

効能

貧血・冷え性・生理痛・更年期障害による頭痛や肩こり、腰痛

配合生薬

当帰(トウキ)、芍薬(シャクヤク)、川芎(センキュウ)、黄耆(オウギ)、茯苓(ブクリョウ)、党参(トウジン)、地黄(ジオウ)、甘草(カンゾウ)、阿膠(アキョウ)

金額の目安

5000円~

詳細

婦宝当帰膠の主成分の「当帰(トウキ)」はセリ科の植物の根で、「血」を補い体の血行を良くする効果があります。

 

杞菊地黄丸(コギクジオウガン)

効能

疲れやすい・めまい・疲れ目・かすみ目・視力の低下

配合成分

枸杞子(クコシ)、菊花(キクカ)、地黄(ジオウ)、山茱萸(サンシュユ)、山薬(サンヤク)、茯苓(ブクリョウ)、牡丹皮(ボタンピ)、沢瀉(タクシャ)

金額の目安

2000円~

詳細

杞菊地黄丸は疲れ目やかすみ目などの目の症状に効果があります。

目の病気は「肝」と関係が深く、高齢者の目の病気は「腎」の機能低下が原因だと考えられているのですが、杞菊地黄丸はこの「肝」と「腎」の働きを整える効果が期待できます。

 

体験談:起立性調節障害の漢方薬での治療(40代/女性)

私の母と仲のいい方が子供の頃起立性調節障害になり漢方を使ったことがあるそうなので、お話を伺ってきました。

体験談 40代/女性

私は小学校4年生頃から朝起きるとめまいがして起きられないことがあり、よく学校を休んだり遅刻したりしていました。

小児科で検査をすると起立性調節障害だと言われ、血圧を上げる薬を処方されましたが、数カ月すると症状が治まってきたので薬は飲まなくなりました。

 

ところが高校生になった頃、色々なストレスが重なったせいか、また調子が悪くなってしまったのです。

朝はめまいや吐き気、頭痛がして起き上がれず、学校も休みがちになってしまいました。

 

心療内科の医者からは漢方薬をすすめられ、ツムラの漢方薬を処方してもらったのですが、保険が適応したので金額は思っていたより安かったです。

半年くらい飲み続けると症状は落ち着いていき学校にも普通に通えるようになりました

漢方薬はすぐに効果があるわけではありませんが、一定期間飲み続ければ効果が感じられると思います。

 

漢方を処方してもらうには?ネット販売では買えないの?

実際に自分で買うとなると「どこで買えばいいの?」とか「どんな漢方薬を選んだらいいんだろう」とか、色々迷ってしまいますよね。

アマゾンや楽天でも販売しているのでネットでも購入できますが、漢方ブランドでいうと「ツムラ」などが有名なのでレビューも多く買いやすいと思います。

ただし、子供に漢方を飲ませる場合は生薬の配合量などにも気をつけないといけないため、漢方クリニックや漢方薬局などで調合してもらうようにしましょう。

大学病院

大学病院は「受診する手続きが面倒」「待ち時間が長い」などのデメリットもありますが、必要な場合は他の科を紹介してもらえたり、検査が受けられたりするので安心です。

漢方薬は保険が適応できるものもあるので、処方してもらう時には必ず確認しましょう。

漢方薬を処方している病院はインターネットでも検索できますよ。コチラから検索できます。

 

漢方クリニック

漢方クリニックには西洋医学での治療では症状が改善されなかった人が来院することが多く、漢方治療以外にも必要に応じて西洋医学との連携も行われています。

病院と同じで保険が適応できる漢方薬とできない漢方薬があるので気をつけましょう。コチラから検索できます。

 

漢方薬局

漢方の専門家や薬剤師がカウンセリングを行い、症状や体質、悩みに合わせて漢方薬を選んでくれるのが漢方薬局です。

漢方薬の金額は病気の種類や体質、症状によっても違いますが、平均すると軽い症状なら一日300~500円慢性的な症状になると一日500~800円くらいです。

起立性調節障害の場合は一日400~700円くらいになります。

漢方薬局もインターネットで検索できるので、家から近くて行きやすいところを探してみて下さいね。コチラから検索できます。

 

薬局・ドラッグストア

薬局やドラッグストアは処方箋がなくても漢方薬を買えますが、症状や体質に合ったものを自分で探さなければなりません。

どれを買ったらいいのか迷った時は薬剤師に相談してみましょう。

 

ネット販売

いつでも手軽に利用できて便利なのがネット販売ですが、ドラッグストアと同じように体質や症状に合った漢方薬を自分で探すのはなかなか大変です。

レビューや口コミを参考にすると選びやすいですよ。

 

漢方薬はネット販売でも買えますが、同じ病気でも体質や症状は人それぞれ違うので、病院や漢方クリニックを受診して一番合うものを処方してもらいましょう!

 

まとめ

漢方薬は自然の植物・鉱物から作られているので、一般の薬に比べると副作用の心配がほとんどなく、飲み続けると効果が期待できることも分かりました。

今回は起立性調節障害に効果的だといわれる漢方薬をいくつか紹介しましたが、あなたのお子さんにも一度試してみてはいかがですか?

まずは病院でも漢方薬局でもいいので信頼できる漢方の専門家を探し、子供の体質や症状に合った漢方薬を処方してもらいましょう。